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きのくに

2022/11/18

バスで楽しむ和歌浦散歩①

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芸能、和歌の上達にご利益があるという玉津島神社、学問、学術の神として菅原道真公を祀る和歌浦天満宮があり、風光明媚なことで文化人に愛された和歌の浦。表現活動をされる方々にはぜひ訪ねて頂きたい場所です。


和歌山城ホールからバスで楽しむ和歌浦散歩を数回に分けてご提案したいと思います。


まずは玉津島神社前下車。海の方を眺めると島が見えます。三段橋と呼ばれる橋で結ばれた島の名を「妹背山」といいます。小さな島ですが、多宝塔に観海閣、旧あしべ屋妹背別荘があり、歴史を掘り下げ知り始めると、沼のようなミステリーに引きずり込まれる味わい深い島です。周りの海は干潟なので、訪れるタイミングによって風景が変わるのがまた魅力です。


さてこの妹背山を堪能した後は道路を渡り、玉津島神社へ。古くから和歌の上達祈願で多く歌人を魅了してきた神社です。今も芸能や学問成就を願って多くの人が訪れます。


すぐ近くには鹽竈神社があります。こちらは子宝や安産祈願にご利益があるとされています。私はここの原始的で神秘的な雰囲気が大好き。


で、この鹽竈神社の上が鏡山です。登口は玉津島神社の鳥居の向かいにあります。山に登ると万葉の時代の人々が見、心動かされた風景とはどのような美しさであっただろうかと思いを馳せずにはいられないセンチメンタルジャーニーがスパークします。


玉津島神社の境内の右奥には、天狗山があります。こちらからも和歌浦の風景を眺めて目を細め、万葉人気取りになれます。この天狗山の絶壁部分は伽羅岩と言われる岩です。和歌浦には伽羅岩の絶壁が他にもたくさんあるので探してみてください。この伽羅岩の絶壁のどこかに、夏目漱石も訪ねたらしいエレベーターがあったようです。漱石は『行人』の中で「無風流」と当時の和歌山人のセンスをぶった斬っております。当時の風流なものがかなり失われている今の和歌浦は漱石の目にどのように見えるのでしょうか。伽羅岩の上で、片膝立てて風景を眺めながらそんなことに思いを馳せる、センチメンタルジャーニー。

この記事を書いた人
池レモン

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