JOURNAL音楽祭かわら版
2022/10/07
柴田陽さん、音楽のふるさと和歌山でソロ・デビュー
きのくに音楽祭がいよいよ開幕します。音楽を介して、和歌山が世界と交わる一期一会のお祭りも今年で3回目。その歩みが早くも一巡したと感じる方にお会いしました。
和歌山城ホールの初日を飾る『ウェルカム・コンサート』に登場する柴田陽(ひかる)さんは中学3年生のピアニスト。まだ慣れない日本語と格闘していた小学6年生の夏、タディーニ国際音楽コンペティション(伊)で第1位を獲得したことは、地元でも話題になりました。第1回は『ロビー・コンサート』、第2回は『若い芽コンサート』にジュニア出演してきた音楽祭を「子どもたちにも演奏の機会をくれた」と振り返ります。そんな彼女が今年、プロの舞台でソリストとしてデビューします。
この夏はポーランドのマスタークラスに参加して、ショパン国際ピアノコンクール審査員のピオトル・パレチニ、ディーナ・ヨッフェ両氏のレッスンを受講してきたばかり。「あなたはピアニストではない、アーティストなんだよ」「シアターを、自分の体ひとつで表現して」2人からの新鮮なアドバイスが印象に残ったと語る柴田さんは、曲の情景を心に浮かべながら“演じるように奏でる”ということを、すでに幼いころから楽しんできたように見えました。
「そういえば、片男波ビーチの散歩からもインスピレーションを得ていたと思います」2歳からタイとラオスで育った柴田さんにとって和歌山は、日本と出会い、音楽へと開かれた思い出の地。「ピアノの先生に出会い、自然に囲まれて音楽に集中できた和歌山に育ててもらいました。その成長を和歌山の皆さんに聴いていただけたら」そう意気込む初のピアノ・コンチェルトのために、ザルツブルクでモーツァルトの生家や博物館に立ち寄り予習もしてきたとか。「澤先生をはじめ、和歌山ゆかりの皆さんとご一緒できて光栄です」
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10月14日(金)午後2時~。
和歌山城ホール小ホールにて。詳しくはこちらから。
2022年10月6日付 わかやま新報「とらふすクラシック」より