JOURNAL音楽祭かわら版
2022/08/24
和歌山に、圧倒的音楽体験!
ワクワクが止まりません。神尾さんはテレビやラジオで、田村さんは緑風舎コンサートでおなじみの方も多いと思いますが、今回のプログラムはほんまに楽しみなんです!
前半は、ヴァイオリン・ソナタ2曲。まずはベートーヴェンの1番。まさに幕開けにふさわしい、ベートーヴェン初期の明るい曲です。2曲目は「神尾真由子がフランク弾くというだけで行くわ!」と叫んでしまう、ヴァイオリン・ソナタ名曲中の名曲です。ピアノの見せ場も多く、この2曲だけで贅沢なコンサート体験になること間違いなしです。
ただ今回は、小品てんこ盛りの後半がメインになる予感。プログラムに並ぶ3人の作曲家を見て叫びました。「ハイフェッツ、キター!」超絶技巧の“ヴァイオリニストの王”にして “ハイフェッツというジャンル”としか表せない唯一無二の魔術師です。クライスラーは「愛の喜び」で人気。13歳のハイフェッツを聴いて驚愕、集まった演奏家仲間と「もう自分らのヴァイオリン壊そか」と嘆き合ったという逸話も好きです。笑。
ハイフェッツはヴァイオリンの魅力を最大限に引き出す編曲でも有名で、映画化されたガーシュインのオペラ「ポーギーとベス」では真骨頂が聴けそう。さらに、ワックスマン「カルメン幻想曲」は、ハイフェッツに弾いてもらいたくて作曲された曲。当時は彼にしか弾けなかった難易度の高い曲が、元々のオーケストラでなく、ピアノとのデュオで奏でられる……つまり4~50人の演奏を、田村さんは10本の指で表現する!? 凄いことになると思います。
同世代で刺激し合う2人の夜会は、最後はジャズっぽく展開しそう。「カルメン」はラストで「アメリカや~!」と叫びたくなるすごく面白い曲ですから、皆さんもぜひお楽しみに!(カルメン、スペインの人やけどね)
※ 神尾真由子×田村響コンサートは、9月9日(金)、和歌山城ホール小ホール。前売チケットお急ぎを。
2022年8月11日付 わかやま新報「とらふすクラシック」226より