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JOURNAL音楽祭かわら版

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音楽
モーツァルト

2022/10/14

モーツァルトの室内楽で伝える 平和への祈り

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 いよいよ明日開幕する「きのくに音楽祭」。2年の休止中には、様々な困難がありましたが、漸く開催の秒読み段階に入り、ここまで漕ぎ着けられた事に、この音楽祭を支えて下さった方々、心待ちにして下さった方々のお陰と、関係者一同心から感謝申し上げます。

 

 公演企画最後のご紹介は、音楽祭で唯一、メディア・アート・ホールで開催される『モーツァルトの室内楽〜光と影』です。

 モーツァルトの父レオポルトがヴァイオリンを持ち、モーツァルトと姉ナンネルがクラヴィア(ピアノ)に並んで座って連弾をしている有名な油絵があります。モーツァルト家では音楽をどんな風に楽しんだのでしょう。

 

 モーツァルトの時代から今日まで、演奏会は王侯貴族のものから市民のものに移り、演奏家に求められるものも時代によって変容してきました。しかし、室内楽の原点は、音楽を愛する家族や仲間たちと純粋に音楽を愉しむこと。感動に打ち震える瞬間を求めて。それは今も昔も変わらないのではないでしょうか。

 

 演奏会当日は、若々しい弦楽四重奏曲ト長調、運命的なト短調のピアノ四重奏曲、そして最高傑作の弦楽五重奏曲ハ長調へと弾き繋ぎます。

 

 彼の短い35年間の人生に渦巻いた光と影、軽さと重さ、誇りと失望を掬い上げ、澤総監督を中心に、和歌山縁の東京藝術大学在学生、東京都交響楽団、セントラル愛知の各首席奏者達が、どこまでも透明な、モーツァルトの美しいアンサンブルを聴かせてくれるものと期待しています。土曜日の昼下がり、メディア・アート・ホールで皆さまと感動を共有できますように!!

 

 今年の音楽祭はモーツァルトの花盛り。時代が求めているものが今、モーツァルトの音楽の中にあるのかもしれません。特に、未来ある子どもたちには是非、この素晴らしい音楽を未来永劫伝え続けたい。平和への祈りを込めて。私達、きのくに音楽祭の願いです。

 

♦♦♦

10月15日(土)午後2時~。

和歌山県立図書館メディア・アート・ホールにて。

詳しくはこちらから。

 

 

 

 

2022年10月13日付 わかやま新報「とらふすクラシック」より

この記事を書いた人
ピアニスト 宮下直子

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